この頁では各種の測量方法を説明しています。

目次


水準測量

       水準測量は、地点の標高又は高低差(水準差)を求める測量であって、
       その方法にレベルと標尺を用いて直接に2点間の高低差を求める直接法
      (直接水準測量)と、鉛直角と水平距離を用いて計算によって求める間接
       法(間接水準測量、三角高低測量)があります。
       一般には水準測量といえば、直接水準測量のことです。
       また、水準測量を目的から分類すれば、高低差測量(2点間の高低差を
       求める)、水準路線測量(路線に沿って配置された点の高低差を次々と
       求める)、断面測量(地形の断面形状を求めるため断面線に沿って次々
       と高低差及び水平距離を求める)、渡海(河)水準測量(距離の長い2
       点間の高低差を求める)、地番沈下測量があります。

三角測量

       三角測量とは、相隣り合う測点を三角形で結んで測量区域を覆い、最初
       の三角形の一辺と各三角形の内角を計り、三角法の正弦法則を用いて各
       辺長を求め、方向角で各点の位置を定める測量方法です。
       鎖状に拡張するものを三角鎖、網状にするものを三角網と言い、三角測
       量によって設けた点を三角点と言います。

       辺長計算の基礎となる最初の三角形の一辺を特に基線と言い、精密な距
       離測定によって定める。基線を設ける作業を基線測量と言います。
       基線は、1つの三角鎖(網)に1つあればいいですが、拾い地域にわた
       る場合、又は特に精密な測量では、角誤差による辺長誤差の累積を調整
       するために、終末辺の付近になお1つの基線を設けます。これを検基線
       と言います。

       基本測量・公共測量などで設置された三角点を与点に利用する三角測量
       では、特に必要がある場合のほか基線を設けません。
       三角点の高さは、直接水準測量または間接水準測量(三角高低測量)に
       よって求めます。
       三角点の比較的近いところに水準点があり、三角点が平地又は低い山地
       にあれば直接水準測量によって求めますが、そうでない場合は間接法に
       よります。三角測量は、三角点間の見通しさえあればその距離は比較的
       長くとることができ、角の測定だけで点の位置を精密に決めることがで
       きるので、一位地域に一様な精度の基準点を配置する確実な方法と言え
       ます。
       三角測量は基準点の設置ばかりでなく、河川や湖沼等直接に距離の測定
       ができない場合、間接的に求める方法として応用されます。

多角測量

       多角測量は、測点を折れ線上に結び、角点間の距離Sと隣接する2辺の
       広角βを計って各測点の位置を求める測量方法です。
       広角は後視から前視に向かって測ります。
       また高さの測定は、通常、直接水準測量によります。
       これらの測点を多角点、多角点間を結ぶ線を多角辺(測線)、これらの
       連続するものを多角路線と言います。
       基本測量・公共測量における多角測量では、上記各測点を多角節点と呼
       び、永久標識を埋設するものを多角点と呼びます。
       多角路線が交差する地点に、両多角路線に共通する多角点を置くとき、
       これを多角交点と呼んでいます。

平板測量

       平板測量は、地表面の状態を一定の縮尺で、現地において直接図紙上に
       作図する測量方法です。
       測量の精度は、作図(描画)できる精度にある限界があって、あまり高
       い精度は望めませんが、簡単な器具で速やかに測図することができ、大
       きな誤りも現地と対照して発見できるなど、小区域の簡単な測量や細部
       測量には最適な方法です。

トータルステーションシステムによる測量

       トータルステーションシステムは、トータルステーション(電子測距経
       緯儀、電子タキオメータ)を用いて、建設省公共測量作業規定に定める
       基準点測量、路線測量、河川測量、用地測量などを実施し、観測データ
       を電送したパーソナルコンピュータによって、すべての計算を行い、観
       測簿、帳表、図面を作成する総合システムです。
       この装置は、土木工事における各種測量に適用できます。
       なお、トータルステーションシステムは、機器によって適用できる測量、
       精度が異なりますので、使用する前に確認が必要です。

GPS測量

       GPS測量は、人工衛星から発せられる電波を利用して観測点の位置を
       求める新しい測量方式で、従来の測量方式と比べて次の様な特徴を持っ
       ています。
         @全天候、24時間態勢の観測が可能である。
         A観測点間の視通が不要。
         B人手をあまり必要としない。
         C計測が自動化できる。
         D多測点の測量を有効的に行える。
         E三次元測位を直接行える。
         F従来の測量技術と同等又はそれ以上の精度が得られる。